ここは、日本一の落花生の産地、八街(やちまた)市。収穫された落花生を畑に積み上げ、北風にあてながらじっくりと乾燥させてゆきます。

 

この落花生の野積みを「ぼっち」をいいます。秋になると八街周辺に広がる北総台地のあちこちで、忽然とその姿を現します。

 

夕日に照らされて赤く染まったぼっちが畑に佇む様子は、千葉県の晩秋の象徴。クロード・モネの『積みわら』のように、人々の記憶に刻まれる、美しい風景です。

 

ぼっちの姿に心動かされるのは、そこに人々の暮らしや仕事の蓄積があるから。そして、乾燥を終え、出荷された落花生にも、様々な人たちの物語が、さらに宿るのです。


『房総落花生』

2018年4月発行/650円(税込)

編集発行人:沼尻亙司

発行所:暮ラシカルデザイン編集室

本文47p(オールカラー)/A5版横型