いすみ市の田園の蕎麦屋で手繰る二八蕎麦。「手打そば 和庵」で過ごす昼下がり

 

田園の蕎麦屋で手繰る二八のせいろ

ダシのうま味をふんわり奏でる

卵焼きとともに

 

「手打そば 和庵(なごみあん)」

いすみ市苅谷837-1

11:30~14:00

月・火曜定休

 

勝浦市から茂原市へ抜ける時、海沿いの国道128号ではなく、睦沢町・旧夷隅町(現・いすみ市)を縦貫する広域農道をメインとした「内陸ルート」をよく利用します。JAXA・勝浦宇宙通信所やチーズ工房IKAGAWAさんの脇をかすめ、源氏ぼたるの里を過ぎ、ちょっとした峠を越えると、森が拓けて旧夷隅町の中心部・国吉の市街地が近づいてきます。その森から里地の田園風景に変わる辺りにあるのが、手打蕎麦の店「和庵」さんです。ムーミン列車でお馴染みのいすみ鉄道・国吉駅からだと歩いて10分ほどの距離のところにあります。内陸ルートを利用する時、幟が翻っていたのでいつも気になっていたのですが、だいたい目的地は茂原だったりするので、ランチの時間とも噛み合ず、これまでは素通りしてしまっていました。この日は満を持して(?)の訪問です(笑)。

 

店内には足踏み脱穀機がアクセントに配され、近隣で採れたキウイフルーツの販売もされていました。田園に臨む店らしく、田舎の素朴さが滲み出ます。

 

和庵さんのお蕎麦は国産蕎麦粉を使った二八蕎麦。訪ねたこの日は「常陸秋そば」でした。シンプルな冷たいせいろに、この日はかなりお腹が空いていたので、卵焼きも注文。ほどなく運ばれてきた蕎麦は細打の麺。やや甘めのツユに麺をチョチョッと浸けて啜ります。いやぁ、実に喉越しのいいお蕎麦。そして、ふわりとした食感とともにダシのうま味、卵の甘みを奏でる卵焼き。日本酒が欲しくなります(勝浦市の酒造「吉野酒造」さんの「腰古井」が品書きにありました)。それにしても卵焼きおっきかった。2、3人でシェアして味わうのもいいかもしれませんね。

 

帰り際、お店を切り盛りされる柴崎ご夫妻(正確には「崎」は立つザキです)に、2月2日に行われる「第二回 勝浦朝市寄席」のチラシをお渡しさせていただきました(第二回勝浦朝市寄席は終了しました。次回は3月2日です)。

 

「いやぁ、これ行ってみたいねぇ。うち、お店があるからなぁ、、、」

 

とほんとうに残念そうな表情を浮かべるご夫妻。

 

「うちらは行けないけど、ココに貼っておいてあげるよ」

 

と、入口脇の壁にチラシを掲示していただきました。本当にありがとうございます!

にこやかなご夫妻の笑顔に触れながらお蕎麦を手繰る。文字通り和やかな田園のお蕎麦屋さんでした。