ひろ〜い古民家はまるでロールプレイングゲーム。ようやく第一の間を攻略。最大のテーマは「押し入れリノベーション」でした。

 

 

デスクまわりも少し整理しました

これから選書作業をはじめたいと思います
これから選書作業をはじめたいと思います

移住後、仕事の合間を縫って続けていた片付けとプチリノベーション。ようやく玄関脇の第一の間がまともに使えるようになりそうです。

 

市野川の古民家・にいさんちへの移住初日の朝。中村工務店の大工さんが怒濤のごとくやってきて、玄関脇の部屋の押し入れに突入!前日にちらっと話していた押し入れの中板をあっという間に取り外してくれました。

 

広い家のにいさんちには、かつて多くの人が集まっていたのでしょうか。押し入れまたはそれに準ずるスペースがなんと五カ所もあります。ですが、そのうち四カ所はヘタをすると10年くらい使われていた形跡がありません(忍び込んだ「小動物」が使っていたかも知れませんが・笑)。

 

そんな訳ですのでまずはひとつの押し入れをまったく違う空間にリノベーションしてしまおうと考えています・・・・・と中村さんにお伝えしたところ、あっという間に疾風のごとく、一番やっかいな中板外しをやっていただいたのでした。本当にありがとうございます。

第一の間はまず畳を換えていただきました。今後、板張りを検討するのも面白いかもしれません
第一の間はまず畳を換えていただきました。今後、板張りを検討するのも面白いかもしれません
襖を外し、中板を外した状態です。ここまでは業者さんにやっていただきました
襖を外し、中板を外した状態です。ここまでは業者さんにやっていただきました

実は当初、中板を活かした状態での活用法を模索していました。デスクや音響スペース、作業場など、様々な活用法が考えられましたが、私が最も懸念したのは「寸法」です。日本家屋の寸法は、ほぼ例外なく「布団」の奥行きを想定して設計されています。そのため、書棚等に比べると圧倒的に「奥行きが広い」のが特徴です。つまり、モノを置くとなると奥に配置されたモノが使って行くうちに取り出しづらくなる、ということが想定されます。空間を俯瞰した際の死角が増えるのも私的には納得のいかないところでした(特に下段の奥が活用しにくくなります)。

 

そんな時思い出したのが二つのカフェ。八千代市にあるトンボカフェさんは個室的な空間として活用、野田市のフラココさんは、改装した押し入れ空間に販売用の服を掛けておりました。共通するのはどちらも中板を外して空間をフルに活用する、ということです。押し入れ空間は密閉されたような空間特性があり、中板を外すと縦長なイメージの空間となります。その特性を活かしてちょっとプライベートな雰囲気を演出する、または陳列した商品をその特定空間の中に際立たせるのに適しています。

 

では、にいさんちでは何に使うか。頭を捻りながら囲炉裏間をうろうろしていると、まだ片付いていない書籍の山が目に飛び込んできました。まるで「早く俺たちをきれいにしまってくれよ」と言わんばかりの表情です・・・・じっくりと本と向き合う空間、か。そうか、書斎的空間に仕立ててしまいましょう。

 

と、いうことでリノベーション開始。まずは棚となる板材を確保します。これはたまたま「魔境・長屋門」にいい具合の板材が三枚転がっていましたので、ノコギリで微調整を施して活用することにしました。

慣れない大工作業。危なっかい手つきです
慣れない大工作業。危なっかい手つきです

壁面も運良く漆喰塗りでそのまま使えそうですが、いかんせん、床と天井、そして中板を取った後の部分が、いかにも合板チックといいますか、安っぽさが滲み出てしまっています。これはなんとかしなければなりません。

 

白の漆喰に合う色調・・・・・ここはモノトーンでいきましょう。

そこで登場するのは「マルタ 匠の塗料 墨色」。海辺の守谷地区で「千葉勝浦 お茶の間ゲストハウス」を鋭意開設準備中のF岡さんから教えていただいた塗料「久米蔵」の姉妹品です。店で見つけるのに苦労しましたが、君津市のジョイフル本田で入手できました。天然顔料「松煙」と植物性油が原料の闇の自然派仕事人。のっぺりしたブラックではなく、地の木の表情を映した奥行きのある墨色。懐深いヤツなんです。ここしばらく、仕事が終わってから日暮れまでの約1時間を利用して、ひたすら塗り作業をしていました。

秘密兵器「匠の塗料 墨色」
秘密兵器「匠の塗料 墨色」

そして最後の難関。

なんと天井板が一列「無い」ではありませんか。スカスカで屋根裏空間と繋がっています。あるべき天井の板材も、どこにも見当たりません。う~む、なぜこのようになっているのでしょう。ミステリー多き、にんさんち。ここは開き直って、むしろ天井裏を見えるようにしてしまえ!と自暴自棄になりながら(笑)敢えてアクリル板を設置しました。たまにはこういう忍者屋敷的なところが残っててもいいでしょう。忍び込んだ小動物をアクリル板越しに観察できるかも知れません(おいおい・汗)。

先日の土曜あたりから本当に屋根裏を小動物が駆け回るようになりました。まだ姿は目視できていませんが・・・
先日の土曜あたりから本当に屋根裏を小動物が駆け回るようになりました。まだ姿は目視できていませんが・・・

はい、そうして出来上がった全体像がこんな感じです。

白黒、モノトーンにシックにまとめてみました。


でもそれだけだと冷たい印象ですので、やはり「魔境・長屋門」から、使われていなかった小さな引き戸を引っぱりだして「アレンジ」を加えてみました。引き戸を「足」にしてみました。

そして、本を並べてみました。

また、デスク周りも、囲炉裏間に活用されずにいた墨色に染まった板を使い、プリンター台を組み立てました。こちらがビフォアー&アフター。

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after 文机とランプシェードは骨董市で購入したものです
after 文机とランプシェードは骨董市で購入したものです

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after 柱に取り付けた明かりは昨年、工房からの風で出逢った羽生直記さんのランプシェード
after 柱に取り付けた明かりは昨年、工房からの風で出逢った羽生直記さんのランプシェード

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今後、本棚は「勝浦市&千葉県関連」「地方出版系雑誌」「リトルプレス」「カフェ・コーヒー」「Art」「手仕事」「食」など、選書して並べていければなと思います。

課題:本がまだ書棚に収まりきれません(ドウシヨウ・汗)
課題:本がまだ書棚に収まりきれません(ドウシヨウ・汗)
第一の間を玄関から引き戸越しに眺めた様子。第一印象をちょっぴり意識しちゃいました
第一の間を玄関から引き戸越しに眺めた様子。第一印象をちょっぴり意識しちゃいました

古民家・にいさんちへお越しの際はぜひ覗いてみて下さいね。

さて、一番「難易度の低い」部屋が一段落です(笑)