【いっぴんさん】イワシ大国だった房総の矜持を受け継いで〜南房総市「アルガマリーナ」の「贅沢いわしフィレ」

 

「海の食処『なむら』」ではお食事もできます

おとといは千葉県のタウン情報誌『月刊ぐるっと千葉』6月号の発売日。最新号では雨の日のお出かけスポットが特集されています。雨の日限定のお得なクーポンも付いていますね。「Art」ページに掲載されている、5月31日・6月1日開催の「にわのわ アート&クラフトフェア・チバ」気になりますね~。勝浦市のイベント情報では「勝浦朝市寄席」を写真付きで載せていただきましたよ。告知、ありがとうございます!

 

さて、今月のいっぴんさんは南房総市に工房を持つ水産加工会社「アルガマリーナ」さんの「贅沢いわしフィレ」です。九十九里地域に伝わる郷土料理「イワシのごま漬け」をベースにしつつ、「ゴマが入れ歯にあたる」との声をきっかけにゴマを使わず、あっさりとした酢漬けのフィレに改良。イワシは外房で水揚げされたもの。そこに南房総市で栽培されている無農薬の柚子を使い、千産千消(千葉県産素材による地産地消)にこだわります。ちなみに、原料の酢の段ボールが置かれていたのでメーカーを見たら、鎌ケ谷市にある私市醸造さんの米酢でした(笑)どんな風に作られ、どんな味わいかは本誌をぜひご覧下さいませ。個人的にはカタクチイワシの三枚おろしのやり方に惹かれました。

 

代表の金高武夫さん(「高」の字はハシゴ高が正しい)は天津(鴨川市)生まれの元漁師。減船により陸(おか)に上がり、様々な水産加工品を開発しています。なかでも「ひしこ押し寿司」は第19回全国水産加工品総合品質審査会全水加工連会長賞を受賞した押し寿司。イワシにかける想いが形になった代表作といえるでしょう。

 

「江戸が栄えたのは肥沃な土があったから。

 乾し鰯(ほしか)、

 つまり肥料として千葉のイワシが使われていた」

「海岸線の製造者が頑張んないと」

 

と語る金高さん。

 

「元漁師が今度は加工やってるんだから、大変だよ!」

 

といいながらも、取材時はさらに、低利用魚のゴマサバを洋風にアレンジした料理を考案中でした。房総の魚が江戸を支えたその矜持を、現代に甦らせんとする挑戦はまだまだ続いています。

 

そんな金高さんの開発した魚料理の数々は、南房総市のR128号沿いにある「なむら」で味わうことができます。この日は「イワシ漁師定食」を味わいました(写真)。おまけに戴いた「漁師メンチ」はバジルやフェンネルを用いて食べやすくしたメンチ。一般の主婦でも作れる調理法とし、食べやすい味付けにすることで、子どもたちにも食べてもたい、との想いが込められています。