マダラカベに漆喰で挑みました
さて、私的に古民家暮らしの中で重視したいと考えているのが「台所」。日々の食卓を彩り(といっても一人暮らしですが・笑)、豊かな暮らしを育む要となるところだからです。ですので、入居後からちょいちょい手を加えていました。ただ、厄介な難題も多く、遅々として進みません。今回のエントリーも途中経過ですのであしからず。
まず台所で手をつけたのは「収納場所」です。慌てて引っ越しをしたものですから、行き場を失った食材や食器類が、囲炉裏間で放浪の旅をしている状態だったのです。これは早急になんとかしなければ!
と、喫緊の課題が見えたところで、作戦実行場所を改めて俯瞰します。恐らく昭和の後期頃でしょうが、土間であったと思われる台所空間に底上げされた床板が張られてしまっています。私的には土間のままがよかったのですが・・・。しかしながら元土間なだけに広さは充分。天井までの高さもあり、立派な梁が姿を覗かせています。であれば、この充実した三次元空間を活かさない手はありません。
空間概況を把握したら、次に動線を検討します。
既に設置されているキッチンシステムは左から順に、平台→シンク→平台→コンロ置き場と、左から右へと、調理作業が移動していく動線であることが窺い知れます。と、なると冷蔵庫の置くべき場所が見えてきます。さぁ、みなさんならどこに置きますか?
冷蔵庫から取り出した食材を水で洗ったりしますよね?ですのでシンク寄りの左側の壁に設置しましょう・・・いやいや、もう一つ手があります。シンクの前に立ったときの私の背中。背後に置いてしまうのです。広い空間を利用して冷蔵庫を軸とした「島」を作ろうと思い立ったのです。アイランド形にすれば作業台が確保でき、また見た目にもすっきりとした印象になるからです。
アウトラインが見えてきたところで、まずは簡単に出来そうなところから始めます。まずは中層空間に収納を設けます。こちらはネギなんかの野菜やビニール袋の収納にぴったり。
続いては高層空間に収納を。
そのへんに落っこってる竹を拾ってきて吊り棒にします。青竹だと水分があり腐る可能性がありますので、できるだけ乾燥した感じの竹をチョイスします。突っ張り棒なんてわざわざホームセンターで購入する必要はありません、さすが竹の里(というか、勝浦市にはホームセンターがない・・・)。
段々と作業を伴ったものになりますよ。
続いてはアイランド造成作業です。
ひとつめの島は冷蔵庫。シンクから二歩ほど手前の位置に設置します。電子レンジはあまり使わないスタンスなのでそれは置かずに、代わりにコーヒーコーナーとします。冷蔵庫くらいの高さがあると、手動ミルを回転させやすいのです。もちろん見た目にも良いです。
続いては「本島」造成作業です。
長屋門から使われなくなって埃まみれになっていた桐の箪笥をふたセット発掘。何度も濡れ拭き&から拭きできれいにして、最後に荏油で艶を出してあげます。すると、当初とはまるで別人のような美しさになるのです。
そして島造成後はこんな感じに。
広さを活かして、「島」という平面スペースを確保。こうすることで収納と作業台、そしてディスプレイという役割を担わせることができます。
さぁて、島が終わったらいよいよマダラ壁に挑みます。もう、目で覆いたくなるようなツギハギカベなのです。
さぁ、ここでおでましするは、ジョイフル本田で見つけたこのアイテム!
「漆喰 うま~くヌレール」です!!
もうそのまんまのネーミング(笑)
通常、漆喰は混ぜ合わせたりする作業があるようなのですが、このヌレールはコテでちゃちゃっと軽く捏ねる程度ですぐ壁に塗ることができます(そのかわり、古民家改修のセンパイ・千葉勝浦お茶の間ゲストハウスのF岡さんによると、ちょいと割高なのだそう)。
ともあれ、養生(マスキング=塗りたくない所をテープでカバーする。ホームセンターで安く売っています)してサクサク塗っていきます。塗る作業、なかなか面白いものです。
一度塗ると、このように油汚れなどが浮き出てくることがあります。この場合、良く乾燥させてからさらに重ね塗りをします(うま~くヌレールも説明にも重ね塗りを使用方法として表記していました)。
さ、二度塗りして・・・って、おっと、途中で漆喰を使い果たしてしまいました。残念ながらまだ途中ですが、ひとまずこの辺で一つの区切りと致しましょう。でもマダラカベの印象が随分と変わりました。台所にも、ささやかな平穏がやってきましたが、まだまだ作業は続きそうです。