「理想郷を食べちゃい隊」も活躍!?
梅雨入りして雨模様の日の続く勝浦ですが、この時季は見事な花が咲き誇る頃でもあります。勝浦市を代表する海辺の景勝地、鵜原理想郷ではヤマユリの花が開花し始めています。6月8日(日)と6月22日(日)に任意グループ「鵜原理想郷ヤマユリの会」の吉野善三郎さんのガイドによる「鵜原理想郷ガイドツアー」が行われるということで、先日の日曜日に参加してきました。
この日は悪天候予報にも関わらず、私も含めて10人弱の参加がありました。鵜原地区に伝わる幻のご当地スイーツ「ほうちょう餅」づくりの達人の一人、本庄さんも親子で参加されていていろいろ話が盛り上がりました(ほうちょう餅は7月の「鵜原の大名行列」の時にだけ各家庭で作られる郷土菓子。これについては機会があればまたちゃんとレポートしてみたいですね)。
いつものガイドですと、アクロバティックな崖っぷちの道を下って行ったりするのですが、今日は足場が悪いため、真っ直ぐにヤマユリの群生スポットを巡ってゆきます。まずは、鵜原のビーチと、リアス式の断崖を一望できるビュースポット「黄昏の丘」から。
昨年訪ねた時には、草刈り作業とともに刈られてしまった形跡があったのですが、今年は幾つものヤマユリがつぼみをつけています。ヤマユリの会によるミニ看板の設置が効果を上げているのかもしれませんね。そして、たくさんのつぼみに混じって、待ちに待った大輪の花が一行を出迎えてくれました。
移動の道中では、様々な理想郷の動植物と出逢いました。
市野川の古民家にいる時は、もうそんなに群れないでくれよ~とうんざりなダンゴムシも、ここで見かけると自然の中に生きる生き物として美しく見えるから不思議です。
と、突然、
「あっ、クワの実がある~!」
と歓声が挙がりました。
「黒い方がおいしいよ」
と教えてもらい、ひと粒パクリ。
チュッと瑞々しさが弾け、さぁーっと爽やかな甘さが広がります。
足元を見ればヨモギやアシタバなど、食べられる野草がそこここに。
「理想郷を食べちゃい隊」(?)はさらに山桜の実に目を付けます。見慣れたさくらんぼと違い、小さくて黒光りしています。恐る恐る口に運ぶと・・・ううっ、苦!苦みにちょっとびっくりしましたが、すごく嫌な苦みでもありません。仄かに甘みの余韻が感じられ、また風味がとても爽やかなのです。
「ジャムにしたいな。でも・・・たくさん必要かな~」
「染物にしたらどう!?」
自然の風味とともに、楽しそうなアイデアが広がります。
雨上がりの、まるで密林のような表情の小径を進んで行くと・・・
もう一つの眺望スポット「手弱女平(たおやめだいら)」に出ます。
丘の奥の方に、崩れそうな(!?)デンジャラスな雰囲気の小径があり、そこから勝浦海中公園を望む絶海が広がります(足元注意)。
いつ見ても鵜原理想郷の断崖絶壁は迫力があります。クライマーたちのルートになっている崖もあるそうですよ。
そうそう、ヤマユリの会ではオリジナルTシャツができたんですよ!収益の一部はヤマユリ基金に充てられます。
さて、ガイド終了後、善三郎さんのご好意に甘えて、親族のご夫妻が営まれている民宿「鵜原の小さな民宿 きろく」にお邪魔。シーフードカレー戴き、しかも岩風呂のお風呂まで入らせてもらっちゃいました。清潔感あふれる岩風呂がたいへん心地よく、ついつい長湯してしまいました。市野川の古民家のお風呂ももっと快適にしていかないとなぁ~と、ため息。
■きろくwebサイト → ●
お昼を戴きながら勝浦談義やほうちょう餅の活用について盛り上がり、たいへん有意義な時間を過ごすことができました。お話を伺って感じたのは、地域の今後に問題意識を持たれてる方、熱い方が多くいらっしゃるということ。
「今はヤマユリに注目してやっているけど、ほんとうは理想郷自体に関心を持ってもらいたいんだよ。素晴らしいものがいっぱいあるんだから」
と善三郎さんはいいます。
若い人材がまだまだ活躍している鵜原地区。皆さんからの鵜原にかける想いに触れるたびに、鵜原の可能性にわくわくしてくるのです。
■鵜原理想郷ヤマユリの会ガイドツアー
次回は・・・
日時 6月22日(日) 9時~(荒天中止)
料金 無料
集合 鵜原海岸の白い鳥居付近(申込不要)
※コンディションによっては長靴の方が良いかも。理想郷内に自販はないので水筒は持参を
■鵜原理想郷ヤマユリの会webサイト → ●