時代錯誤(失敬・笑)? 否、時代の交錯する悩ましきロビーをなんとかしたい!!

 

「無理矢理書院造り」状態の

ココからなんとかしましょう

7月上旬は、寺の下の千葉さんからいただいたヤマユリの花を生けました
7月上旬は、寺の下の千葉さんからいただいたヤマユリの花を生けました

築150年と云われている長屋門付きの古民家・にいさんち。

あまりにも広いので、この期に及んでもまだ手つかずの部屋がいっぱいありますが、普段の生活に使う空間を優先的に、少しずつ手をいれております。

 

最も難易度の低い玄関脇の新しい部屋に始まり、台所、居間といった順番で、押入をぶちこわしたり漆喰を塗ったりと、アレやコレやしております。そしてようやくにして、来訪者の皆さんをお出迎えする最前線、玄関&ロビーに着手し始めました。

 

まずは改装する前のロビーの様子。

今年の1月末の写真です
今年の1月末の写真です

ご覧の通り、築150年の家の玄関にしては、明らかに昭和の匂いがプンプンします。ここは元々台所まで続く土間で、高度成長期頃にこのようなスタイルに改装されたようです。三和土(たたき)の上に床を張って一段高くし、臙脂や焦げ茶のレトロ色タイルで壁を飾る・・・どうも、一時期このスタイルが流行したようなのです。その証拠に、市野川地区の他のお宅を訪問すると、似たような床の構造のロビー、同じテイストのタイル張りの部屋をもつお宅を見受けることができるからです。

 

にいさんちを見学に来てくれたかたは、このレトロ感が良いと褒めていただける方もいらっしゃいますが、私的にはかなり悩ましい空間。なぜならばすぐ隣りがこの母屋のメインとなる風情ある囲炉裏間だからです。仏壇、神棚、大黒柱、そして驚くほど太い梁を携えた格式ある大広間の隣りがいきなり中途半端なレトロ・・・。いったいどうバランスをとればいいのでしょう。昔の「医院」にありそうなキューブガラスも、褒めていただける方と、「こりゃぁ、、、マズいね」と苦笑される方に分かれます。もう頭を抱えずにはいられません(笑)

 

いずれにせよ、一番私が「コレはない!」と感じていたのが、キューブガラスの脇にある「違い棚」。なぜ後付的に違い棚があるのか??摩訶不思議であります。そして無機質な蛍光灯の電燈。とりあえず、この二点を外すところから始めました。

天井にくっついていた蛍光灯も外してもらいました
天井にくっついていた蛍光灯も外してもらいました

ハイ、見事に外れました!

・・・と思ったらなんという事でしょう。てっきり違い棚の背後にタイルが続いているのかと思いきや・・・ないじゃん!!

しばらくこの状態で放置していたら、ネズミがここから出入りしていることが発覚。事態は緊急を要していました
しばらくこの状態で放置していたら、ネズミがここから出入りしていることが発覚。事態は緊急を要していました

「塞ごう」。

そう思いました。

兎にも角にも塞がなくては。

では、何で塞ごうか・・・。何かないかと、にいさんちの四次元ポケット、長屋門を探ると使われていない建具が出てきました。

ここで私の悪いクセ。この建具、和な感じだからこれで覆ってしまえ!と決断してしまいます。得意の手抜き工事です。

汚れていたため水洗いして乾かします
汚れていたため水洗いして乾かします

さっそく、違い棚のあった箇所にどこかに使われていたと思われる引き戸をあてがうと、高さがほぼぴったり。しかしながら、横幅が足りません。さぁて、どうしようか・・・あ、そうだ。来られた方がよく、どこにトイレがあるの?と質問されるので、こちらだよ、というメッセージが書けるような黒板にしよう!

 

実は以前、茂原市にある欧風伝統菓子の店「キュイッソン」さんで、「黒板塗料ってのがあるんですよ~」と、教えてもらったのを思い出します。実家に戻ったついでに、千葉ニュータウンのホームセンター・カインズホームで黒板塗料を入手。安いベニヤ板を準備して塗料塗り。二度塗りしたうえで空いたスペースにはめ込みます。

「KAKERU PAINT」。そのまんまの商品名です
「KAKERU PAINT」。そのまんまの商品名です
結果、こんな感じになりました
結果、こんな感じになりました

ひとまず、違い棚スペースはこれで一件落着。

続いては味気ない右側側面の壁と対峙します。

ココの壁、ありがちな木の皮模様のベニヤ壁。これをできるだけ隠したい!では何で隠しましょう?ハイ、困ったときは四次元長屋門へ。未使用建具を再び引っ張り出してきます。

この埃だらけだった建具もきれいに洗います
この埃だらけだった建具もきれいに洗います

と、いうことで、またも建具でイヤなところを隠してしまおうという寸断。

いろいろレイアウトパターンを検討の結果・・・シンプルに落ち着きました。

実際、こうして取り付けてみるとなかなか便利。

フックを取り付ければTシャツやバックなどを掛けておく事ができます。今後、商品を並べるような機会となれば、大いに活躍してくれそうな気がします。

 

さて、仕上げはメインの「しつらえ」。

四次元長屋門から扉とともに救出した桐の箪笥。

埃を払いきれいに拭いて、荏油で磨きをかけます。

そこに天板を乗っけてクロスをかければ・・・こうなります。

6月は庭に咲いていた紫陽花を生けました
6月は庭に咲いていた紫陽花を生けました

そして、その真上に照明を配します。

市原市、上総国分寺骨董市で入手した大正時代と云われるランプシェードから漏れる白熱灯の光で、一気にムードを演出します。

さ、まだまだ改修劇は続きます。