祭りの後、床に魅せられて。古民家のプロに訊く

大広間の畳を剥がすと、思わぬ床板が姿をみせました

やっぱりこれはカフェでしょうか?でも、周辺地域には里山カフェが多いですしねぇ…。まずは編集室機能の強化ですね
やっぱりこれはカフェでしょうか?でも、周辺地域には里山カフェが多いですしねぇ…。まずは編集室機能の強化ですね

市野川ジャルダンドゥラビエール終了後、ビールサーバー周辺の畳を天日乾燥させるべく、ひっぺがえすと素敵な板張りの床が出現。すると、タイミングよく勝浦市内の古民家の視察にいらしていた「一般社団法人古民家再生協会神奈川」のみなさまがいらっしゃり、

 

「夏はこのままでいいんじゃない」

 

とおっしゃってくださいました。

 

と、いうことでさっそくレイアウトをあれこれ替えて楽しんでいます。結局、片付けがいくらたっても進みません(笑)

協会のみなさんからは、「玄関の下の柱がないんじゃない?」など、これまで気が付かなかったことを教えて頂きました
協会のみなさんからは、「玄関の下の柱がないんじゃない?」など、これまで気が付かなかったことを教えて頂きました
神棚の下にあるこの扉の木目もすごい模様なのだそうです。これまで私にはその価値が分からなかった…いや、お恥ずかしい
神棚の下にあるこの扉の木目もすごい模様なのだそうです。これまで私にはその価値が分からなかった…いや、お恥ずかしい

「よく、暮れに畳を虫干して叩いたよね。今はやらないよな。

 冬はまた畳にしてもいいよね。

 畳と床の間に新聞紙を敷くんだよ。

 乾燥すると木と木の間が開くからね」

 

隙間の対処法として、現代の工法で完全に密閉してしまう、ことも選択肢のひとつ。

しかしながら、隙間は湿気を籠らせない、つまり、木材の耐久性を維持させる役目も担っています。だから「新聞紙」なのです。

 

また、窓もサッシ化する前に、

 

「窓の内側に障子を取り付けるだけで全然違います」

 

と、「障子」を検討することも選択肢のひとつだといいます。

 

「人間は五感を感じて生きるものでしょ。

 なんでもかんでも密閉すればいいというのではない」

 

一方で、個々人で事情も異なるのも事実。

断熱材を入れたり、現代的に中をある程度改装するのも、

 

「生活スタイルで選択すればいいんです」

 

というスタンスです。そう、そこに住んでいる人が納得して過ごせるか。そこからいい塩梅の着地点を見いだしていくことが大切なのです。最後に代表の竹内さんがおっしゃった、

 

「手間暇かけた分だけ、家の表情は変わりますよ。

 古民家から教わるんです。

 先人の技術や知恵を引き継ぐことが大事なんです。

 『文明』は退化するけど、

 『文化』は退化しない

 

との言葉に、思わず背筋がシャンとするのでした。

 

 

■一般社団法人古民家再生協会神奈川

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