おかげさまで『房総カフェ 扉のむこうの自由を求めて』完売しました

読み継がれ、ボロボロになった姿は、私にとっての勲章です

おかげさまで『房総カフェ 扉のむこうの自由を求めて』完売しました。

 

一部のカフェや本屋さんでは引き続き店頭で販売していただいていますが、編集室在庫がゼロとなりました本日をひと区切りとして、正式に「完売」とさせていただきます。2回にわたる増刷を経てここまで来れたのは、取材のご協力をいただいたお店の方々、本に込めた熱量を送り届けてくださる販売店のみなさま、そして拙著を手に取ってくださった読者のみなさまのおかげでございます。改めて感謝申し上げます。

 

写真は先日訪ねた市原市のカフェ「カフェのっぽ141」さんで置いていただいている閲覧用の『房総カフェ』です。さまざまな方の手によりページがめくられ、表紙がもげ、テープで貼りつなぎながらもまた読み継がれてゆく。こんな姿になっているのに読んでくれている・・・このぼろぼろの姿はつくり手にとって勲章以外の何ものでもありません。

 

大多喜の自家焙煎珈琲のお店「抱/HUG」さんの閲覧用『房総カフェ』は何度もなんどもページがめくられて本の厚みが倍くらいの厚さに。千葉駅前の「豆NAKANO」さんの閲覧用『房総カフェ』は焙煎による色づきが激しくなったため、現在二代目がその役割を担ってくれています。カフェの日常の中に、ふっと溶け込むように存在できたこと。そしてカフェを訪ねて来たお客さんに、その1ページをめくっていただいたこと。ほんとうに嬉しく、本づくりをしつこくやっていてよかったなと、噛みしめるような感情が沸き起こってくるのです。

 

今から3年近く前のこと。出版社から依頼を受け作り上げたカフェの記事がその出版社の倒産により、掲載させていただいた店主の方々の熱量、そして記事にかけた熱量が、送り届けられなくなったという出来事がありました。

 

どうする術もなく、自分だったらこういう記事を作っていただろうなという理想の記事を作り、家庭用のプリンターで刷って、掲載予定だったお店をまわり、事情を説明しながら「こうなっていたかもしれません」と、その記事をお渡ししました。すると、カフェ店主の方々から「これを本にすればいいんじゃない?」「本になるならウチで売ってあげるよ」と声をかけていただいたのです。この店主のみなさんからのあたたかい声援が、今につながる本づくりの始まりだったのです。

 

そこから自費で本を発行し、自分で直接本を、掲載店のみなさま、販売店のみなさまに送り届ける

というスタイルで走り始めました。そうして生まれたのが『房総カフェ 扉のむこうの自由を求めて』でした。

 

読者のみなさま、取材にご協力いただいた掲載店のみなさま、本の販売店さま、そして私。この『四方良し』の熱量と経済のあり方を今後も引き続き模索しながら房総・千葉と、本の可能性を未来に発信していきたいと考えています。

 

今秋に、これまでの集大成となる本を出版する予定です。引き続きどうぞ宜しくお願い申し上げます。