『d design travel 千葉』の一般発売は3/2で、会場では先行発売中。暮ラシカルデザイン編集室も「千葉の多様性」をテーマに寄稿させていただきました
「ロングライフデザイン」をテーマに活動しているD&DEPARTMENT PROJECTの県別トラベルガイド「d design travel」シリーズで、ついに「千葉号」が登場です。実は、昨年末から当編集室にdの編集部の方々にお越しいただき、原稿の寄稿などで参加させていただきました。
それにしても晦日も差し迫った12/30に、編集部のみなさんとなぜか南房総の和田浦までドライブしてクジラを食べるという、なんとも愉快な体験を共有させていただき、今では忘れがたい思い出です(笑)。その後、「d design travel CHIBA EXHIBITION」の展示物をピックアップしにきていただきました。
さっそく訪ねた「d design travel CHIBA EXHIBITION」はこんな感じ。
上の椅子は長生村のある「KUSA.喫茶 自家焙煎珈琲+PAN.」で実際に使われている椅子です。
重くて、ごつっとした座り心地。でも、この椅子に腰掛けると、背筋がすっと心地よく伸びる。目の前の横長に切り抜かれた窓にブルーグレイな九十九里の浜辺の気配を見る。ピンと張りつめた空間に一筋の光のように漂うアロマが、自らの記憶や感性と、向き合わせてくれる・・・「展示」されると、いっそうその存在感が感じられるものなのですね。東京のみなさんには、KUSAさんの心地よいあの感覚を、ぜひ現地で味わってほしいです。
『d design travel 千葉』に掲載された場所や人にまつわるものが、時に大胆に展示されています。菅原工芸硝子さんのルツボは現地ではクレーンで、展示の現場では5人がかりで運んだそうです(笑)。愛嬌ある犬の人形は長南町の「芝原人形」。当編集室の看板にちょこんと乗ってる飾馬(私物です)も芝原人形ですので探してみてくださいね。
shopでは『d design travel 千葉』が先行発売中。誌面に掲載されている、我孫子市の「NORTH LAKE CAFE & BOOKS」松田さんによるブックレビューの本も購入できます。僭越ながら暮ラシカルデザイン編集室の本もございます。房総への旅のきっかけになれば嬉しいです。
続いて、同じ8Fフロアにあるd47食堂へ。
タンタンタンタンタン・・・
厨房から響くそのリズミカルな音に、ふっと脳裏をかすめる、昔訪ねた千倉の大徳家さん。千倉の湊から伸びる細い路地にお店があって、引き戸を開けて・・・厨から響く、アジを包丁で叩く音。大将が房総の郷土食「なめろう」や「さんが焼き」の由来をいろいろ教えてくれて。もう10年くらい前の懐かしい思い出。
まさかあの「音」が、渋谷ヒカリエで響き渡るとは。
アジに味噌や香味野菜を混ぜて叩いたなめろう。細切れアジの刺身、ではなく、ねっとりとした濃厚なうま味がでているのは、しっかり叩ききった証拠です。寺田本家さんの「五人娘」のアテにも良し。ぐいのみはスガハラガラスさんの器でした。一品一品がじっくり咀嚼したくなるような美味しさ。千葉をこのように表現していただき、多くの方に伝えていただけるのは本当にありがたいことです(料理スタッフの方も現地取材しながらメニューを考えられたそうです)。
この「千葉定食」は『d design travel 千葉』発売記念の特別メニュー。また、アルコールのアラカルトメニューには寺田本家「五人娘」「香取80」、いすみ市の木戸泉「アフス」、木更津のソングバードビールがありました。
本や展示だけでなく「食」を通じても、千葉を表現していただいて。
厨房から聞こえてくる音と美味しさに心意気を感じて嬉しくなりました。
「音を味わう。千葉定食」です。
会期中には展示の他にも「d design travel show と千葉を食べる会」(2/22 会場:渋谷ヒカリエ8階「8/ COURT」「d47食堂」)や、「d design travel show と出版記念パーティー」(2/24 会場:発酵暮らし研究所&カフェ うふふ)といった催しなどが行われます。2/22は私も伺おう予定です。「旅」「デザイン」を中心に、様々な角度から千葉の魅力を伝えていただき、ありがたいことだと思います。ぜひみなさんも、千葉の魅力を再発見してみてくださいね。