大船渡市「ちっちゃなクレープ屋さん」[2] 〜 大船渡ってそんなにカフェがいっぱいとは!本好きのお客さんと盛り上がる大船渡のカフェ談義についつい長居してしまいます

 またまたおいしい時間を、ご馳走さまです

先日の日曜日に、岩手県盛岡市で行われたブックイベント「モリブロ」に行ってきました。その帰りの道中、旧川井村(現宮古市)の山中にある宿に宿泊(またエントリーを改めて書きますね)。

 

翌日は、せっかくここまで来たのだからと思い大船渡市まで出て、三陸鉄道・盛駅近くの、あのクレープを食べに。正月明けに訪ねた時と変わらず、コンパクトでかわいらしいお店がストリートに佇んでいました・・・いえ、前回冬に訪ねた時とは打って変わってものすごいお客さんの数!それも地元の学生ばかり。


「運動会の振替休日だからかなぁ。

 材料、もうちょっと準備しておけばよかったかな」


と苦笑いするのは、ここ「ちっちゃなクレープ屋さん」の木村由香里さん。学生たちの集まる場ってフレッシュ感に満ちていて心地がいいものです。

 

 

■ちっちゃなクレープ屋さん

岩手県大船渡市盛町町11-8

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落ち着くのを待ちながら、テーブルひとつだけの「ちっちゃな」テーブルでコーヒーを啜りつつ、クレープ「ガトーショコラ」を頬張ります。チョコレートアイスを食べ終えると、クレープの下の方にガトーショコラが潜んでおりました。「ちっちゃな」リッチ感が散りばめられています(笑)

クレープを食べながら各地のリトルプレスをパラリとめくります。ちっちゃなクレープ屋さんには、京都市にあるリトルプレスカフェ「風の駅【旅の情報ステーション京都】」のコーディネートするリトルプレス販売コーナーがあり、岩手県をはじめ、全国の各地のリトルプレスが販売されています。

京都市「風の駅」の駅長さん自ら取材撮影された『気になる京都』の、最近発行された第二弾もあったので購入。綴じ紐のアクセントがいいですね!
京都市「風の駅」の駅長さん自ら取材撮影された『気になる京都』の、最近発行された第二弾もあったので購入。綴じ紐のアクセントがいいですね!

と、


「私はここでは珍しい『本』のお客さんなの」


という、女性客が。なんでも由香里さんの同級生で、大船渡市内で美容室を営業されているとのことです。なんとこの方、


「こういう感じの本が好きなんです!」


と、『房総カフェ』をお買い求めいただいちゃいました(サイン、拙い文字ですみませんでした・・・)。

元気の出るクレープ、ご馳走さまです!そしてお買い求め、ありがとうございます!
元気の出るクレープ、ご馳走さまです!そしてお買い求め、ありがとうございます!

由香里さんともども、カフェも大好きだそうで、ビアン、ロリアン、マリゾー、バーガーハーツ、ユキグランパ、タルトのトゥルモンド・・・と、次々と大船渡のカフェを教えていただきました(勝浦と同じ港町なのに、ざっとみただけでもこんなにたくさんカフェがあるとは驚き!こりゃカフェMAPが作れちゃいますね)。特に、「サネン」というサンドイッチカフェは、


「大船渡駅前にあったんですが、もう超かわいかった!」


とお二人絶賛。

ところがそのカフェは津波で流されてしまったため、現在は仮設商店街の、おおふなと夢商店街に出店されているそうです。いやぁ・・・カフェはお店の雰囲気、お店の周りの環境も含めてそこのカフェの魅力になりますから、さぞかし再オープンに至るには大変な事が多かったに違いありません。でもお話を伺っていると、すごく素敵なカフェのようで、これは次に大船渡を訪ねる時はカフェめぐりをしたいなと思ったのです。


そしてこの本好きのお客さんも、大好きだった雑誌『Lingkaran』(ソニー・マガジンズ 現在休刊中)が流されてしまい、こうしたテイストの本を扱うショップに足を運び、探しているそうです(うちにリンカランないかな、ちょっと探してみよう)。好きだから、またあの本に逢いたいという、そのお話を訊くと、本の持つ存在感ってやっぱりすごいなと、改めて思いました。


まだ2回目なのに、ちっちゃなクレープ屋さんに行くと、なんだか人の出逢いがあります(前回は宿までお客さんに送ってもらっちゃいましたね・笑)。おいしいひとときを、ご馳走さまです。またまた元気をお裾分けしていただきました。


マルティナさんの腹巻帽子を被って、三鉄クレープを食べに 〜 大船渡市「ちっちゃなクレープ屋さん」で、まちの復興への想いの込もったクレープに元気をいただきました

Posted on 2015.2.6

思わぬ地元のお客さんとのふれあいも

クレープに、三陸鉄道運転再開と、そしてまちの復興への願いを込めて。名物「三鉄クレープ」を戴きました
クレープに、三陸鉄道運転再開と、そしてまちの復興への願いを込めて。名物「三鉄クレープ」を戴きました

弊著『房総カフェ』を置いていただくことになった、京都市出町桝形商店街のビルの中にある「風の駅【旅の情報ステーション京都】」。そこで、東日本大震災の被災地、気仙沼で生まれた「編み物の愉しさ」と「住民の自立した生活」を宿した「Opal毛糸」や「腹巻帽子」と出逢いました。 >>>前回より続く

「これは『腹巻帽子』といって、腹巻にもなるんですが、

 こうやってくるっとねじって・・・」


と慣れた手付きで彩り鮮やかな腹巻の真ん中あたりをくるんとねじる、風の駅駅長の太貫まひろさん。ねじったら片側を、もう片側に重ねると、アラ便利!毛糸の帽子に早変わり!!

モデルが私なのはご愛嬌・・・スンマセン
モデルが私なのはご愛嬌・・・スンマセン

ふわふわであったか。被り心地も抜群ですが、重ね方を逆にすれば、もう一方の柄でも帽子を作れてしまうというスグレモノ。デザインも欧州っぽさがあって素敵ですよね!


実はこの腹巻帽子。ドイツ出身の梅村マルティナさんが発明したオリジナルの帽子です。


■梅村マルティナ気仙沼FSアトリエ

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東日本大震災発生当時、京都にいたマルティナさん。原発事故直後、子供の将来を考えれば帰国した方がいいかもしれないと思い始めた時、息子さんに相談すると、


「ドイツに行けば僕らは安全かもしれないけれど、友だちを捨てて自分たちだけがドイツに行っても幸せじゃない」と反発しました。その時「私がいるべき場所は日本しかない」と気づかされたのでした』(上記webサイト「マルティナの想い」より)


マルティナさんは気仙沼に住民票を移します。自分ができること、被災された方たちが求めているもの。それはなんだろうと考えた時思い浮かんだのが、故郷、ドイツ生まれの毛糸「Opal(オパール)」シリーズ。メリヤス編みだけで綺麗な柄が出てくるという毛糸です。そこで「編む」ということを思いつきます。


『「編み物」という手段により、被災地のみなさんが一日でも早く自立した生活を確立すること。そして日本中の、みなさんと編み物の楽しさを共有し、「しあわせを編む仲間」の輪を気仙沼から全国に広げることです』


・・・そんな腹巻帽子のストーリーを風の駅で知りました。

さらに『房総カフェ』を大船渡にある姉妹店の「ちっちゃなクレープ屋さん」でも置いていただけることになり、この帽子をかぶってクレープを食べに行きたくなりました。


そして年が明けて一月の三連休初日。

青春18切符の余りを使って一路東北へ。気仙沼発、大船渡市盛行きのバスに乗り込みます。一関~気仙沼~盛を結ぶJR大船渡線は震災で被害を受け、気仙沼~盛間は「バス高速輸送システム(BRT)」という、バス専用道を含むバス路線として仮復旧しました。実はJRの青春18切符はこのBRTにも適用されるので、乗車することができるのです。

バス高速輸送システム。奇跡の一本松駅も常設化されていました
バス高速輸送システム。奇跡の一本松駅も常設化されていました

バスは終着駅の盛駅に滑り込みます。大船渡市の中心部は「盛駅」から、ひと駅手前の「大船渡駅」にかけて広がっています。三陸鉄道南リアス線との接続駅は盛駅になります。盛駅に着いた頃にはとっぷりと日が暮れていました。


西口ロータリーに出て右手の方向に歩きはじめて間もなく、通りに面した窓から漏れる明かりが夕闇に浮かんでいます。窓の向こうにはテーブルで勉強中の学生たち・・・ようやくクレープ屋さんに到着です。

■ちっちゃなクレープ屋さん

岩手県大船渡市盛町町11-8

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店内には全国各地のリトルプレスや、もりおか復興応援フリーマガジン『stitch(ステッチ)』、風の駅で企画された三陸鉄道応援「サンキャッチャー」などが販売されています。もちろん、マルティナさんの腹巻帽子も!

『房総カフェ』も置いていただいています。ありがとうございます!
『房総カフェ』も置いていただいています。ありがとうございます!

と、いろいろありますが、もちろんメインはクレープです。「ちっちゃなクレープ屋さん」は木村由香里さん、辰也さんご夫妻で切り盛りされています。由香里さんの出身地である大船渡で7年前にお店をオープンされました。由香里さんが「ねえさん」と呼ぶ風の駅の太貫さんは、辰也さんとの繋がりでお知り合いなのだそうです。


さっそく看板メニューの「三鉄クレープ」をいただきます。

2010年に考案された「三鉄クレープ」。ベリーソースとヨーグルトアイスの酸味が爽やかな風味を届けてくれます。クレープを舞うカモメがかわいいアクセント。三陸鉄道公認クレープで、震災後は売上の一部が三陸鉄道に贈られました。

調子に乗って季節限定のマロンクレープも食べちゃいました
調子に乗って季節限定のマロンクレープも食べちゃいました

三陸鉄道への支援もされている木村さんですが、実はご自身の店舗も浸水の被害を受けています。


「もういろいろなものが流れてきました」


と当時を振り返る由香里さん。そんな状況ながら、なんと早くも4月下旬にお店を再開されました。その頃のまちの状況が、お店のブログに掲載されているのですが、このような中で再開されるとは驚きです。


さらに、ご夫妻は避難所でクレープを焼き、5~6月にかけては1000個を超えるクレープを届けたました。自らも被災者でありながら、自分にできることで人に喜んでもらいたいと活動しているのです。クレープを頬張っていると、なんだか元気をお裾分けしていただいている気がしてきます。


ふと、また新たなお客さんがやって来ました。

木村さんの娘さんのお知り合いというご夫妻。そのご夫妻が、なんとこの日の宿泊地「つつみ旅館」の方とお知り合いだそう。なんだか繋がっていますね(笑)しかも、有り難いことに、宿まで車で送って行ってもらいました(ありがとうございます!)。途中車中で、浸水域や当時の様子などを教えていただきました。盛から大船渡へ向かう、ちょうどつつみ旅館下方の低い土地が、かなり被害があったそうです。


翌日、盛岡に向かうため、三陸鉄道の始発列車に乗り込みます。

朝焼けの車窓を見つめながら思います。ほんとうに再建まで奮闘されたんだね、と。


釜石でJR釜石線に乗り換え、遠野、花巻と内陸のまちを過ぎてゆきます。海辺と打って変わって一面の雪景色。これも岩手の美しさ。

今、うちの玄関に飾ってあるサンキャッチャーの煌めきを見ると、この時のことが思い返されるのです。素敵なクレープを、ご馳走様です。