「房総カフェ」に続く房総のカフェ本「千葉の海カフェ」(書肆侃侃房)がいよいよ手元に届きました 〜 発刊によせて

暮ラシカルデザイン編集室・沼尻の著書、第二弾でございます

Posted on 2015.8.28

千葉市以南の15のカフェを紹介させていただいた自費出版本「房総カフェ」。東京都杉並区にある旅専門の本屋さん「旅の本屋 のまど」で有り難くも拙著の販売をしていただいているのですが、たまたま福岡市にある出版社、書肆侃侃房(しょしかんかんぼう)の関係者の方がのまどさんに置かれていた「房総カフェ」を手に取っていただいたことをきっかけに、新たな房総のカフェ本が生まれることとなりました。


それは「千葉の海カフェ」

港町のカフェで見かけた地元客の日常のリズム。

店主との何気ない会話の後に眺めた、水平線に沈む夕日。


千葉県最東端の銚子から、

サーファーに人気の九十九里海岸、

雄大な太平洋が広がる外房、

南国の光が弾ける南房総市、

そして、東京湾に臨む内房まで。

その美しい瞬間を求めて、

海カフェの旅は始まります。

今回、取材・撮影のほか、ブックデザインやレイアウト、構成なども私が担当させていただきました。そのため、前作の「房総カフェ」と同様のビジョンを持ちつつ製作にあたることができました。わがままを訊いていただき、版元の書肆侃侃房のみなさまには感謝の念が絶えません。

 

前作「房総カフェ」のあとがきで、「カフェは、房総半島に浮かぶ星々のように、その土地土地で独自の輝きを放っています。その輝きの全体像にこそ、房総の今の魅力が凝縮していると確信しています」と書きました。半島の三方を碧い色彩で満たしている海、ベッドタウンとしての街、食を育む北総大地、印旛の伸びやかな田園、そして半島内陸の里山。それぞれのフィールドに蓄積された風土と店主の生き方が、千葉、房総のカフェカルチャーを育んでいます。

 

カルチャー、つまり文化という言葉は重みのある言葉だと思いますが、房総のカフェはもっとカルチャーと捉えられていいのではないかと思っています。北関東では黒磯のSHOZO、鹿沼の饗茶庵の界隈、古河のOcha-Novaなどなど、明確に地域・タウンのカルチャーの軸と成すカフェたちがあります。ですが、房総にはそこまでエリア的に集約的あるいは独立的に形成はされずとも、多様な風土と多様な生き様に裏打ちされた「総体的にみた房総カフェカルチャー」なるものがあるのではないか、と。すなわち、それは房総そのものの魅力であります。前作で「房総の名刺のような本にしたい」と謳ったのには、そんな想いがあります。そういう意味で今後は、カフェカルチャーを綾なす食や暮らしの現場からもっと掘り下げる必要性と、手賀沼〜印旛〜北総大地にかけての一連の流れを捉えることが、目標になってくると思います。


今回は、潮風が抱いた光が舞い降りる35のカフェを「千葉の海カフェ」で旅してみたいと思います。カフェの旅を通じて、房総の豊かさを実感していただければ幸いでございます。

 

最後に、本書制作にご協力いただきましたカフェのみなさま、旅路の道標として常に支えていただいた編集の池田雪さん(特に、ご出産という喜ばしい出来事の中にも関わらず入稿作業に真摯にご対応いただき、感謝の念が絶えません)、出版のきっかけとなった「旅の本屋 のまど」さま、書肆侃侃房のみなさまに、心より感謝申し上げます。